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資料室の恋人
第6章 雨の流れ星

6月に入り本格的に梅雨の時期になっていた。

ここ数日は晴れ間は無くずっと雨が続いているので、日和は憂鬱だった。
自転車で通えないし、洗濯物は乾かないし、頭痛が頻繁に起きる。日和は講義を聞きながら、何気なく携帯電話を見ると新着メールが1件来ていた。
佐倉からだ。

『今日は会議ないよ』

それだけの短い文章なのに自然と微笑んでしまう。
梅雨の憂鬱な気分は吹き飛んでいた。

数週間前に恋人的存在になった講師とは、資料室を開ける日は連絡を取り合うようになっていた。金曜日は会議が入ることが多い。金曜日に会議がある週は、可能であれば都合を合わせて別の日に資料室を開けて会うようになっていた。と言っても、会うペースは週に1回のままだ。

日和は、わかりました。とだけ返信すると時計を見た。あと45分。終われば会える。
佐倉からのメールが来るまでは気だるい講義だったが、気持ちを入れ替えて机に向かった。



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