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資料室の恋人
第7章 味噌汁と卵焼きと金平とパスタと、君
知り合いに会うと色々面倒なので、少し離れた百貨店へ行くことにした。地下の駐車場に車を停めてエレベーターで階を上がると、土曜日ということもあってカップルや家族連れなどで賑わっていた。1階のフロアは駅と繋がっているため、改札口を出た人達が百貨店へと流れて来る。
「何を買うんですか?」
「日和のルームウェアとか。うちに置いておけば来た時に着れるでしょ」
「えっ…!でも…」
「日和が裸でいたいなら別にいいよ」
その言葉に日和が佐倉の腕をばちりと叩いた。
「俺は置いておいた方が何かと便利だと思うけど」
日和の性格上、自ら持参して置いて行くというのは考え難いので、こちらから提案する。佐倉的には今朝のような格好が好都合(裸はもっと好都合)なので、ルームウェアは要らないと思ったが、さすがに用意することにした。
「そう、ですね…ありがとうございます」
佐倉がそんな事を考えているとは知らず、日和は純粋に礼を言うのだった。