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資料室の恋人
第7章 味噌汁と卵焼きと金平とパスタと、君
雑貨屋で歯ブラシとタオル、ルームウェア、ついでにルームシューズも購入した。店員からショッパーを受け取った日和は、佐倉に頭を下げる。
「すみません、買っていただいて…」
「ううん、いいって」
「…ありがとうございます」
2人は店を出るとエスカレーターで下の階へ降りる。日和はふと佐倉に尋ねた。
「洋服とかはどこで買ってるんですか?」
「友達の店かな」
「お友達がお店やってるんですか!」
大学ではスーツ姿しか見たことがない日和にとって、今日の佐倉の私服は新鮮だった。佐倉はスキニーパンツにスプリングニット、その上にノーカラージャケットを羽織っている。服を着ていると痩せて見えるなぁと日和は思った。もっと肩はがっしりしてて、胸板も厚いし、結構筋肉質なのに…と考えたところで、昨夜の情事が頭をよぎる。
だめだめ、と日和は頭をブルブルと横に振った。
「ん?どうしたの?」
「いっ、いえ、なんでもありません…」
「今度行く?友達の店」
「あ、はい!楽しみです!」
無邪気に微笑む日和を見て、佐倉も微笑む。
「そんなに楽しみ?」
「はい!それに…恭介くんのこと知れるから嬉しいです」
「…そういうの素で言うからすごいよね」
「え?」
返事をする代わりに、佐倉はにこりと微笑んだ。
彼女はいろいろと自覚していない。
早く帰って今朝の続きがしたいと思う佐倉だった。