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短編集!クリスマス!クリスマス
第4章 写性
私の箱には指輪が入っていた。

シンプルなリングだけど大き目な黒い石がついている。
ただ、,(コンマ)のように、リングから石が上に飛び出していた。

そして裏には、

『伝えきれない愛を…ジョンから沙絵へ』

と刻印されていた。

「プロポーズだよ。正式な。結婚、形はどうあれ、生涯の伴侶になって欲しい。」

真剣な眼差しだった。
どうしたらいいのだろう。
いつも一緒の二人がバラバラに行動してる?
プロポーズのことは、ボブは知らないのだろうか?

ふと、反対にいるボブを覗いてしまう。

ボブも真剣な顔をして、

「今はジョンに聞かれているんだよ。」

返事を促された。

「ジョン、ジョンからのプロポーズを受けるわ。
でも、私、ジョンもボブも同じように愛してるの。
どちらかだけを選ぶことは出来ないわ。」

「そうか、俺だけを選んではくれないんだね。」

ジョンの悲しそうな顔。
どうして、こんな抜け駆けのようなことをするのだろう。

手にある指輪をどうしたらよいか、わからなくて私は固まる。

そんな私をボブが抱き締めてくれる。

「じゃあ、僕を選んでくれたってことだよね。」
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