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隠しごと
第4章 遠淫

普段と変わらない部屋につくと、どっと精気が抜ける。
パソコンの電源を入れたまま、そのへんのボーダーのパジャマと折り畳んでいないしわくちゃのタオルを取り出す。
夕食は後回し、まだ力が残っているうちにバスルームに入った。


濡れた髪を拭きながら、コップに注いだ烏龍茶をがぶ飲み。
前髪を払いつつ、起動したままのパソコンの前に座る。

【RYU:ただいまー♪Ю―(^▽^o)ついでにホカってきたぜ〜】

パパパと返ってくるコメント。
またそれに返しながら、その中の一つに身震いした。

【→の天使:DM←】

(なんであいつ…うわぁ見たくねぇ)

俺は恐る恐るメールBOXを開く。
中にはシンプルななにかのIDだけ。頭を捻らせて考えて、思いあたった。

(見なかったことにしようかな)

ピロリロリロ♪

【→の天使:さっさとかけんかいボケェ^^
あと1分】

ゾッとして慌ててSkpeを開きマイクをつける。
IDを使って見つけた相手に電話をかけた。

プッ

『あと5秒でお仕置きするとこやったわ』

「何で、っていうかどうして急にSkpeなんですか」

最後は刺々しく言ってやった。それくらい許されるだろう。

『ちょっと最近忙しくてなぁ、都合つかんかってんわ。会いたなったん?』

電話越しにあいつが笑ったのが分かって苛つく。

「冗談、寧ろ最近明るくなったねって言われるくらいだよ。すげぇ楽しいわぁ!」

マイクに口を近づけて盛大に鼻で笑ってやった。
遠くからガタガタという音と何かが開いたプシュッという音。

『あっゴメン。聞いてなかったわ。でなんて?』

ゴクゴクと飲み干す音に俺の何かがプチンとする音。
コイツは俺を腹立たせる天才なんだろうか。

「だから!会えなくて嬉しいザマァって言ったんだよ!!」

電話越しにならこんなにも強気になれるんだな、俺今かなりかっこいいかもしれない。

『さよか。

俺は、会いたいけどな、井上くんに。』


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