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隠しごと
第1章 呟き

ピロリロリロ♪

しばらくすると届くコメント

【→の天使:(^O^)行ってらっしゃい♪頑張ってな】

昨日も散々話した相手に適当に返信して、次々にくるコメントにもまとめてかえしてやった。

これが俺の日課。

ピロリロリロ♪

【→の天使:(´`)今日RYUに相談したいことあるんやけど…orz】

【RYU:^^了解!】

スマホをしまって、俺はそろそろつきそうな駅に視線を向けた。


ぞろぞろとすれ違う人並みに紛れ込み、向こう側から手を振る奴に近づいた。

「竜平!おはよう!!なんかお前目の下クマできてね?」

人懐っこい笑顔を向けて、顔を近付けるそのクラスメイト
あまりの近さに頭突きをかますと涙目になっていた


「あー昨日もネトゲやってたから。ちゅうか隆お前昨日すっぽかしたろ。マジ悲惨だったんだぞアホ」

「プギャーだな、ドンマイ!怒んなよー今日の林田の課題ヤバかったんだもん。」

「課題くらいやっとけお。あっ、これ面白かったあんがと。」

渡した袋にはさっきまで読んでいたライトノベル

「お前誰派?俺ちるこたん!」

流石に声が気になって口元に指を添える。

「俺はなー…、椿さん?ドS系好きじゃないんだよね。おっとり系ください」

ノベルの挿し絵を指差しながら二人並んで歩く。



そう、デザイン専門学校なんて聞こえはいいが、蓋を開ければそこはオタクの巣窟。
グラフィックを中心に勉強しつつ、いつかはSF的な萌えを世に出したいなんて考えてる、オタクな俺。

別にこの業界がダメだなんて思ってないが、あまり大きな声で話せる程俺は肝が座った奴じゃない。


「あっそうだ、新しいの貸してやる!これ…まじエロ」

ニカっと笑って手渡されたものを直ぐ様鞄にしまう。
にやけそうになる顔を必死に戻した。




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