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隠しごと
第4章 遠淫

「右京…胸、気持ち…けど…もっと、欲しい…。もぅ、無理…」

おそらく、アイツは笑っているのだろう。
そう思うのに5日前の光景が、フラッシュバックして。
俺を見下ろすあの目が、背中に感じたあの熱が。

『焦らされる方が、自分燃えるやろ。
それに何をして欲しいんかはっきり言わんとわからへんよ』

楽しげな右京の声。
本当は分かっているくせに。
マイクから聞こえるその声に促されるまま、俺は言葉を口にした。

「もう足り…ない。下……触って?なぁ、右京…ッ、…」

さっきからずっと自分で胸を弄っていてたまらなくなった、アイツにねだる言葉に甘えが混じる。
喋りも、殆ど吐息になっていて。
恥ずかしくて顔から火が出そうだ。

『下って、どこ?
わからへんのやけど』

「ッ、…イヤ…そんなん…言えな…」

残ったわずかな申し訳程度の理性が邪魔する。

『ほな、これで終いや。
あとは、どうぞご勝手に。
さいなら、井上くん』

「アッ…ヤダ…ァ!ウキョ、待っ、て…!」

切られそうなマイク越しにすがり付く。
自慰なんて、本来は一人でするものだからアイツがそんなことを言ったとしても、俺も初めは切るつもりだった。

でも。

でももうこの声を無くしたら、俺はイけない。

そんな確信


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