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隠しごと
第1章 呟き

【DM:→の天使:こんなこと、言うの恥ずかしいんやけど…でもRYUには聞いてもらいたかってん。俺な…
実はゲイやねん。
気持ち悪なったらそれでもかまへん。でも自分騙してるみたいでつらかってん。いつもRYUと女の子の好みとか今まで付き合ったことか話してたやろ?
…でも全部嘘やってん。
ゴメン。m(__)m
こういう話、もうするのつらくて…ゴメンな…】
俺は画面越しに「はっ!?」と声を出してしまった。
衝撃すぎる。
(…っていうか、嘘つくなんてネット上じゃ当たり前だし…)
実際ネット上の自分は嘘の塊だ。
学校は普通の大学。現在リア充。好みはキレイ系な年下。バイトはホスト。
これのどこに俺がいるって?悲しいくらいに着飾ったもう一人の自分。
鏡を見てみろ。
外に出ないせいか色白になってしまった細い腕。
ボサボサな黒髪がかなりダサい。チェックのシャツは古くさくてズボンなんかたるんでしまった。
頭がズキズキしながら画面に向きなおった。
【RE:RYU:びっくりした。
でも気にしなくていいんじゃないか?俺そういうの大丈夫だし。
普通普通^^
→の天使がつらいならもうそういう話しないよ】
→の天使は俺が呟き初めてけっこう早いうちに知り合った友達だ。
関西出身らしく方言が全面的にでる。
おっとりしていて、いつも文面が優しい。
俺としてはあまり失いたくない関係だった。
ペットボトルのお茶を飲みつつ、明日隆に話すネタが増えたな、なんて考えながら返信を待った。

