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隠しごと
第1章 呟き
…それから一週間→の天使がタイムラインに現れなくなった。
今まで毎日話していた分、急にいなくなって落ち着かない。
ただ彼と会う日ばかりが近づいて、でも連絡がとれなくて。
すでに会う場所も会う時間もあの日に決めていたから、どうしたものか。
「連絡ないんだ?じゃあやめたらいいじゃん。危ないやつだって絶対!」
いつもみたいに隆が笑って、すりついてくる度に短い髪がくすぐったい。
「そう…だな…」
俺は行かないことにした。その日は、隆と遊ぶ約束をして。
4月某日
今日は隆とカラオケに遊びに行く日
【RYU:リア友とカラオケ行ってくるぜ←(^O^)】
スマホをポケットにしまって、いつも通りの格好。
『今日から明日にかけて関東地方から東北方面一体、天気が崩れそうです』
テレビを止め、傘を持って財布を確認して家を出た。
少し肌寒いかもしれない。
ザァァァ…
駅に向かって歩きながら、スマホにきたメールに目を通す。
【隆:
題名:電車遅れそう!!(∩;ω;)ブワァ
本文:なし】
【RE:電車遅れそう!!(∩;ω;)ブワァ
本文:大丈夫、近くで待っとくし。まだ着かないからこっちも】
ピコピコと打ち込んで送信する直前、メールがきた。
「?」
差出人は知らないアドレスだ。なんとなくメールを開いた。
【題名:RYUへ
本文:今日やったやろ。まさか忘れてへんやろな…?はよこなお仕置きやで】
「…「→の天使」…?」
俺はもう一度メールを確認した。確かにあの日メルアドも交換した。
でもあの時のメルアドじゃない。
(それに…なんかいつものあいつっぽくない…よな)
しばらく画面とにらみ合いして、隆に送りかけたメールを消す。
【RE:電車遅れそう!!(∩;ω;)ブワァ
本文:ごめんっ!!急用できた!今度なんか奢る!!今日は中止で!!】
ドタキャンの内容を平謝りもよろしく送って、駅についてすぐ俺は乗るはずだった電車ではなく、逆方面に乗り急いだ。