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サキュバスちゃんの純情《長編》
第5章 恋よ来い

「あかり、疲れてない? 休む?」
「いいの?」
「いいよ。ありがと。気持ち良くしてくれて」

 どういたしまして、と笑った瞬間に、背中に軽い衝撃。薄い冷感掛け布団の上で、翔吾くんを見上げている。私と彼の間に邪魔なテキストはない。
 ……押し倒された?

「翔吾くん?」
「んー、三十分か……」
「翔吾、くん?」
「我慢してね、あかり」
「へ?」

 何を、と聞く前に唇が塞がれる。温い舌が捩じ込まれ、唾液と先走りに濡れた口内をかき混ぜていく。
 スイッチが入った翔吾くんは、左手で私の両手をまとめて押さえつけ、右手でタンクトップを押し上げる。ブラジャーのホックを器用に外し、スカートの裾から右手を割り入れ、ショーツをツツと撫でて笑った。

「……濡れてる」
「だって、仕方な」
「俺のを舐めただけで、こんなにしてくれるの?」
「っあ!」

 ショーツのクロッチ部分から指が侵入し、濡れそぼった花弁に触れる。それだけの刺激なのに、体がピリピリする。
 思わず腰を引くと、逃さないとばかりに、翔吾くんの腰が、足が、私をベッドに押さえつける。

「欲しかったんだね、あかり。ごめんね、気づいてあげられなくて」
「やっ、あ」
「三十分、イクの我慢して。今度は俺が、あかりを気持ち良くさせてあげる」

 ずるりと引き抜いたショーツをベッドのそばに投げ捨て、翔吾くんは意地悪く、妖艶に笑った。

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