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サキュバスちゃんの純情《長編》
第5章 恋よ来い

そんな健吾くんに翔吾くんは呆れている。
「健吾さぁ……自覚していないようだから、言うけど。ホテルには行くな、部屋でしろ、って、つまり、あかりにうちに来てもらいたいってことだよね?」
「はっ?」
「で、セックスの声には我慢できないから、オナって発散するしかない。それでも、うちに来て欲しいってことだよね?」
「えっ?」
「それってさぁ、つまり」
翔吾くんは意地の悪い顔をして、食卓に爆弾を落とす。
「――あかりのこと、好きなんじゃない?」
健吾くんは、真っ赤になったまま、口をぱくぱくとさせて何かを言おうとしたけれど、何も言葉が出てこない。
翔吾くんの言葉の処理が追いつかないほど、パニックになっているようだ。
金魚みたいだと思う。真っ赤な金魚。
あぁ、でも、違う。
鯉だ。
それとも……恋?

