この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第6章 花火と火花

「人事部の白鳥です」
「同じく、麻生です。何かありましたら、私たちまで連絡ください」
「は、はぁ……」

 わけがわからないけど、とりあえず、助かったということだ。
 ホッとしたら、腰が抜けた。慌てて、近くにいた白鳥さんが支えてくれる。

「サキタの月野さんですよね? 荒木さんが心配なさっていましたよ」
「荒木、さんが?」
「はい。でも、とりあえず今日はこのまま帰りましょう。妹尾と一緒にいたくはないでしょう。会費は後日お返しいたしますから」

 荒木さんに助けられたのか、私。
 もしかして、妹尾さんにキスされたところも、見られていた?
 それは、最悪だ。最悪だ。

「大丈夫ですか? 一人で帰れますか? 荒木さん呼んできましょうか?」
「あ、いえ、大丈夫です。帰れます。ご迷惑をおかけして」
「それは私たちのセリフです。うちの社員がご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ありませんでした」

 二人に頭を下げられ、恐縮してしまう。まぁ、でも、良かった……何もなくて。本当に良かった。

「妹尾さんはどうなりますか?」

 一階へのエレベーターを待ちながら、一階まで送ってくれると言う白鳥さんに尋ねる。

「未遂とはいえ、女性をトイレに閉じ込めて『ヤラせろよ』はアウトなので、一度子会社に出向してもらって、その後解雇でしょうか。子会社で成果を出しても、こういう問題で左遷された人は本社には戻さないので、東京には来られないようにしますよ」
「はぁ……スゴい、ですね」
「あぁ、気に病まないでください。妹尾のセクハラ問題はかなり前からあったのですが、証拠がなくて。今回の件でようやく追求できそうなので、頑張ります。月野さんには囮の真似事みたいなことをさせてしまって、本当に申し訳ありませんでした」
「あ、それは大丈夫、です」

 私とそう変わらない年齢に見えるのに、しっかりしている人だ。こういう人が集まる会社なんだろう。さすが日本一の玩具会社だ。
 一階の、玩具がディスプレイされたエントランスホールを抜け、白鳥さんに礼を言ってから、人混みの中へと紛れていく。

/581ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ