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サキュバスちゃんの純情《長編》
第1章 情事と事情

「あかりから誘ってくれるなんて、嬉しい」
ベッドに倒れ込んで、翔吾くんを組み敷く。期待に満ちた目がかわいい。私の太腿の下で、太さと硬さを主張してくる彼が愛しい。
「あかり、その格好かわいい。どうしたの、それ」
「ホテルのケーキバイキングに行ってきたの」
「そんなにおしゃれして、一人で?」
「……一人で」
一人で行って一人で帰ってきたのだから、一人で間違いない。あの失礼な人を、「相手」だとは思いたくない。
「だから、カロリー消費に付き合って」
そんなもの私と彼の間に必要ないのに、嘘をつく。イヤなことがあったから、カロリー消費に付き合えだなんて、いろいろおかしい。
きっと、翔吾くんにはそんな矛盾なんてバレているだろうけれど、彼は何も言わない。優しい人だ。
シャツのボタンを外しながら、お互いの唇と舌を求めて深いキスをする。唾液が零れそうになっても構わない。舐め取ればいいだけだ。
ワンピースの裾から翔吾くんの手が入ってきて、ストッキング越しに太腿を優しく撫でてくれる。暖かくて気持ちがいい。
勝手に背中のファスナーを下ろそうとすると、翔吾くんにやんわりと止められた。
「ごめん、翔吾くんの役目だった?」
「いや、着たまましてみない? あかりがかわいいから」
「汚れちゃうよ」
「汚れたら代わりの服買ってきてあげるよ」
これだから、お金持ちってやつは!
何でもお金で解決しようとするあたりには全く共感できないけれど、恩恵が受けられるなら断る理由はない。
翔吾くんは脱がして、私は脱がない。そういうプレイも悪くない。彼が興奮してくれるなら、それでいい。
「あかりのキス、甘いね」
「ケーキ食べたあとだからね」

