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サキュバスちゃんの純情《長編》
第6章 花火と火花

「あかりさんのことが好きだ」

 ダメだって、言ったのに。

「翔吾のセフレだって、わかってる。俺じゃ本気になれないって、わかってる。でも!」

 あぁ、もう。なんて、バカなの。

「でも、好きなんだ。好きなんだよ。どうしようもないくらい、あんたのことが好きだ」

 バカ。健吾くんは、どうしようもない、バカだ。

「好きで好きでたまらないのに、あんたのことが欲しくて欲しくてたまらないのに……無理だって、諦めてる」

 そう、無理だよ。健吾くんが本気なら、無理。
 でも、恋焦がれる気持ちは、よくわかる。すごく、よくわかる。私も、諦めるしかない恋をしている。

「だから、俺は」

 顔を上げて、私の目を見て。
 健吾くんはただ一つの願いを口にした。

「俺は、月野あかりの、セックスフレンドになりたい」

 目を丸くする。
 それが、どういう意味かわかって、敢えて茨の道を行くの?

「健吾くん……それは」
「本気にならない。執着しない。見返りも求めない。翔吾と、喧嘩もしない。わかってる。わかってるから」

 本当に、わかっているから。そう呟いて。

「俺を選んで、あかりさん」

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