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サキュバスちゃんの純情《長編》
第6章 花火と火花
「来週、花火、一緒に行く?」
「へ?」
「今日の埋め合わせ」
「いや、そんな、気を遣わなくても」
「そう? 俺は一緒に行ってみたいけど」
……浴衣、クリーニングに出せなくなっちゃうじゃん、それ。
私一人がどぎまぎしていて、健吾くんは穏やかだ。なんか、それも悔しい。さっきまで慌てていたのは健吾くんのほうだったのに。
「さくらい、直しておいてね。翔吾くんだか健吾くんだか、わかんないよ」
「わかった。……なんで知っていたのか、聞かないの?」
「翔吾くんでしょ、教えたの」
「……あいつ、俺の気持ち知って、あかりさんの連絡先くれたんだ。ほんと、お節介」
でも、結局、連絡してきたくせに。そこは素直じゃないんだなぁ。
「ご馳走さま」と手を合わせ、健吾くんは「美味しかった」と笑う。口に合ったなら、良かった。
食器を片付け、水を張っておいた鍋を洗い始める。
「あかりさん」
後ろから抱きしめられると、ちょっとドキドキする。ふに、と胸を揉んで、健吾くんははぁと溜め息を吐く。未知の感触だもんなぁ。
「やわらかい……」
「ノーブラだもん」
「……もっと触っていい?」
「もう待てないの?」
「待てない」
するり、と裾から侵入した指が、肌を這う。そうして、柔らかい丘にたどり着いた指が、遠慮がちに触れてくる。くすぐったい。
手のひらで全体を揉んで、感触を楽しんでいるみたい。手のひらで突起の部分をくるくる優しく転がされると、私も我慢できなくなる、んだけど。
「っ、ん」
「あかりさん、感じてる?」
「そりゃ、まぁ」
「俺の手で?」
「ん、健吾くん以外に、誰が私に触れているの?」