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サキュバスちゃんの純情《長編》
第1章 情事と事情

「あかり」

 唾液をわざと首筋に落として、ゆっくり舐め取る。荒い息が翔吾くんの唇から漏れ出る。
 かわいい。
 潤んだ目が私を見上げてくる。切なそうに喘いで、腰を動かして、本当にかわいい。ルックスのいい男の子を組み敷くのはたまらない。

「なぁに?」

 ストッキングをするりと脱いで、ベッドの下に放り投げる。仕事先にははいていかない、ラインストーンが入った高いストッキングだ。破られてはかなわない。

「挿れたい」
「もう?」
「俺が何日我慢したと思ってるの」

 我慢なんかしなくても、女の子なんてよりどりみどりでしょ、翔吾くんは。そのあたりで適当な子に声をかけても、すぐにセックスに持ち込めるだけのルックスとお金があるのに。
 私なんか、待たなくても。

「我慢したの?」
「した。ご褒美、早くちょうだい」

 ボクサーパンツをするりとずらして、足でポイとベッドの下に落とす。カチコチになった肉棒の上に座り、ぐりぐりと腰を動かす。ショーツ越しのヌルリとした感触に、舌なめずりをしたくなる気持ちを抑える。

「挿れさせて、あかり」

 私は男なら精液さえ出してもらえれば誰でもよくて、セックスに愛や情なんてほとんど持ち込まないけれど。
 それでも。
 男から「求められる」瞬間は、気持ちがいい。

「おいで、翔吾くん」

 ショーツのクロッチ部分をずらして、屹立した熱い楔を迎え入れる。既に濡れている秘所へ、太くて硬い肉棒の先がゆっくり侵入してくる。
 まずは亀頭を飲み込んで、息を吐き出す。指で解さなかったから、少しキツかった。

「っは……硬い」
「若いからね」

 二十歳は確かに若い。湯川先生の一回り以上若い。硬さも量も回復力も、若い人が一番。それはよく知っている。

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