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サキュバスちゃんの純情《長編》
第7章 傷にキス

「イイ女だったんだけど、寝ている間にお金盗られちゃった。まぁ、はした金だから、別にいいんだけど」

 指が膝へ、太腿へと移動していく。カーゴパンツの上を滑っているだけなのに、体が疼く。

「ねぇ、あかりちゃん」

 ガシャリと手錠が音を立てる。指が腹を上り、胸をかすめ、鎖骨に、首筋に、顎に、触れる。

「我慢できる?」

 顎に添えられた指がぐいと持ち上げられ、目の前のケントくんの顔へと向けられる。いつの間にか、彼は私の太腿の上に乗っている。

「僕、お腹が空いているんだ」

 親指が、唇に触れる。冷たい、指。誘う、指。

「満たして、くれるよね?」

 徐々に近づいてくるケントくんの顔に、漂うお酒の匂いに、抗う術はない。
 中学生に手は出さない。現状、手は拘束されている。
 けれど、相手が手を出す気満々の場合は、どうすれば、いい? どうすれば――?

「あかりちゃんも気持ち良くさせてあげるから。だって――」

 額が触れる。真っ直ぐに体を求めてくる視線に、目が離せない。

「――僕たちは、同族同士が一番、相性がいいからね」

 ケントくんの赤い唇が、ゆっくりと、落ちてきた。

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