この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第7章 傷にキス
「っや、やだ!」
「拒まないで、僕を」
「ケントく、やめて!」
「やめない。孕んで、あかりちゃん」
「いや! いやだ!」
「あかり」
足をジタバタさせようとしても、動かない。手首は痛い。手錠が抜けない。上体を捻ろうとしても、押さえつけられる。
無駄な抵抗なの?
ぜんぶ、無駄なの?
はぁと息を吐いて、中を抉るかのように強く強く腰を押しつけて――ケントくんは、笑う。
「ぜんぶ飲み干してね」
「お願い、いやっ」
「――っ、出すよ」
「やだぁっ!!」
天使なんかじゃない。
彼は、悪魔だ。
ドクン、と最奥が震えた。
それは、ケントくんの絶頂か、私のものか、わからなかった。
強い強い快感に、ぜんぶ、持って行かれる。
何度も何度も体が震え、何度も何度も受け入れる。受け入れてしまう。
嫌なのに。ダメなのに。
生きたいという本能が、ご飯を拒否をすることはない。
濃い、との言葉通り、ケントくんの射精が止まらない。笑顔のまま、彼は何度も腰を振る。
「あかり、気持ちいい」
セックスは、食事。
精液は、ご飯。
それ以上のことは、求めないで。
求めないで――。
「愛してるよ、あかり」
ケントくんの言葉に応えることなく、私の意識は深い闇に落ちていった。