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サキュバスちゃんの純情《長編》
第7章 傷にキス

「っや、やだ!」
「拒まないで、僕を」
「ケントく、やめて!」
「やめない。孕んで、あかりちゃん」
「いや! いやだ!」
「あかり」

 足をジタバタさせようとしても、動かない。手首は痛い。手錠が抜けない。上体を捻ろうとしても、押さえつけられる。
 無駄な抵抗なの?
 ぜんぶ、無駄なの?

 はぁと息を吐いて、中を抉るかのように強く強く腰を押しつけて――ケントくんは、笑う。

「ぜんぶ飲み干してね」
「お願い、いやっ」
「――っ、出すよ」
「やだぁっ!!」

 天使なんかじゃない。
 彼は、悪魔だ。

 ドクン、と最奥が震えた。
 それは、ケントくんの絶頂か、私のものか、わからなかった。
 強い強い快感に、ぜんぶ、持って行かれる。

 何度も何度も体が震え、何度も何度も受け入れる。受け入れてしまう。
 嫌なのに。ダメなのに。
 生きたいという本能が、ご飯を拒否をすることはない。

 濃い、との言葉通り、ケントくんの射精が止まらない。笑顔のまま、彼は何度も腰を振る。

「あかり、気持ちいい」

 セックスは、食事。
 精液は、ご飯。

 それ以上のことは、求めないで。
 求めないで――。

「愛してるよ、あかり」

 ケントくんの言葉に応えることなく、私の意識は深い闇に落ちていった。

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