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サキュバスちゃんの純情《長編》
第7章 傷にキス
「せん――っ!」
ガシャン、と乾いた音が響く。
いつもは豆球をつけているはずなのに、電気が消えている。
見慣れた部屋の、確かな違和感に、何をしていたのか思い出そうとする。溢れた涙を拭こうとして、両手が頭上でガシャガシャ鳴るだけだということに気づく。
背中が熱い。下腹部が、痛い。重く、違和感がある。
「起きた?」
背後から聞こえた明るい声に、ぞっとする。振り返ろうとして、下腹部の違和感の正体に気づく。
「ケ、ントく……?」
「あぁ、気持ちいいから、ずっと挿れさせてもらってる」
「まさか……あれから、ずっと?」
「うん。我慢できなくて、何回か中にも出したよ」
逃げようとしても、体がうまく動かない。体が痛い。重い。
ケントくんは少し腰を揺すって、その硬さと太さを私に伝えてくる。そして、両手で優しく私の腰を抱きしめてくる。
「挿れておかないと、出てきちゃうんだよね。溢れて」
「なに、が?」
「僕の精液」
耳元で聞こえた言葉に、背筋が凍る。
搾り取った精液が溢れることなんて、ほとんどない。たいてい私の体が飲み込んでしまう。溢れるのは、満腹のときくらいだ。
まさか、そんなに、出したの?
「あかりちゃん、僕の前に食事をしたでしょ? だからかな、あんまり食べてくれないのは」
「ケントくん、お願い、抜いて」
「イヤだよ。このまま朝まで繋がっていよう。何度でも出してあげるからね」
「イヤ……やめて……っ!」
涙が溢れてくる。視界がぼやける。
こんな形で食事をしたいんじゃない。子どもを作りたいんじゃない。
私は――。