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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「あかりさん、荷物持つよ」
「俺のを持ってよ、健吾」
「何で俺が翔吾のを? 自分で持てよ」
「ちぇっ、冷てえの」

 ……今度は私が固まる番だ。
 目の前に双子。
 翔吾くんと健吾くん。
 セックスフレンドが、二人。

 軽くなってしまった両手をどうすれば良いのかわからなくて、とりあえず、パンと頬を叩いてみる。

「あかり?」
「あかりさん?」

 痛い。夢じゃない。
 セフレが二人もいる。
 しかも、笑い合っている。
 何が正解?
 どう受け取るのが、正解?

「ビックリ、した」
「俺もビックリした。初日でペアルックとか」

 健吾くんは少し嫉妬を含んだ声音で私を責める。翔吾くんは「早く入らないと蚊に刺されるよ」と入室を促す。
 じんじん響く頬を押さえ、私は肩を落とす。

 どうするの、この展開。
 一体、どうなるの――!?
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