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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携
目を開けると、肌の色がまず全面に広がっていた。浅黒い肌。日に焼けた肌。
翔吾くんだ、と理解するのに少し時間がかかった。何しろ、体に触れている肌の感触が、一人分ではなかったからだ。
少し頭を動かすと、翔吾くんが目を閉じて眠っているのが見えた。
でも、背後からも寝息の音が聞こえてくる。熱い腕が背後からしっかりと私の腰を抱いている。翔吾くんの腕ではない。
これは……前に翔吾くん、後ろに健吾くん? 私、サンドイッチにされて、いる? 裸の二人に?
するりと翔吾くんの腰を撫でると、布の感触がある。良かった、ボクサーパンツははいている。全裸ではないようだ。私は全裸のようだけど。
「……起きた?」
静かな声音で尋ねられ、見上げると、翔吾くんが微笑んでいた。少し眠そうだけど。
「起こしちゃった?」
「ん、大丈夫。十分寝たよ」
後ろの健吾くんを起こさないようにひっそりと会話をする。
見つめ合って、どちらからともなくキスをする。優しい、柔らかい、お互いを慈しむキス。こういう、寝起きのキスも好き。幸せだ。
「あかり、しんどい?」
「……わかんない、けど、少しは楽になった、かな」
「ごめんね、健吾が無理させたみたいで」
「翔吾くんもね」
苦笑し合って、唇を食む。唇だけでは物足りなくなって、徐々に舌を求め合う。
お互いの熱を、唾液を奪い合って、少しずつ息と体温が上がってくる。
「……っあ!!」
びくん、と体が震えたのは、唇以外の刺激があったからだ。腰にあった腕がいつの間にか移動し、私の胸を揉み、突起を弾いたからだ。