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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携
「で、あかり、気持ち良かった?」
にこやかな笑みを浮かべた翔吾くんの質問に、私は真っ赤になるしかない。
「気持ち良かっ……た、よ」
二人が満面の笑みで私を見つめてくるから、尻すぼみになってしまう。
健吾くんにぎゅうと抱きつかれて、翔吾くんに足の甲にキスをされて、私はただ、いいな、と思う。
この関係は、居心地がいい。
「二人とも、気持ち良かった」
録画に関してはすぐ消去させなきゃいけないけど、セックスは、気持ち良かった。
「じゃあ、第二ラウンド?」
「それは無理」
即答である。
もう無理。無理なものは無理。頼まれても無理。
「あ、俺、シャワー連れてくから、翔吾は回収ね」
「了解。よろしく」
「ひゃあ!?」
健吾くんに横抱きにされて、ベッドからお風呂まで連れて行かれる。健吾くんにそんな力があったなんて、知らなかった。
じゃなくて!
私は廊下で翔吾くんに向かって叫ぶ。
「消して! 絶対消して!」
「鑑賞会したあとでね」
「人でなし! ろくでなし! サイテー!」
「あかり、うるさい。お風呂でまた挿れるよ。抱き潰すよ」
「……んぐ」
健吾くんのささやかな脅しに、私は決意する。
次から二人とするときは、ちゃんとカメラを探してからセックスしよう!
「絶対二人とはしてあげない!」と思わないあたり、私は彼らのことを嫌いにはなれないし、十分、絆されていると思うのだ。