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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「ルール違反、わかってる。でも、翔吾、のこと、好きだなぁ、って思う、の」
「あかり」

 ぎゅうと、強く抱きしめられる。翔吾くんの顔が見えない。けれど、体が震えているのはわかる。

「本当に?」
「ほんと」
「今日は誕生日でもクリスマスでもないよ」
「わかってる」
「俺の聞き間違いじゃない?」
「私、好きだ、って言ったよ」
「あぁ、あかり!」

 強く抱かれながらするキスは、なんて気持ちがいいのか。
 興奮した翔吾くんが唇を貪るせいで、私は言葉を紡ぐことができない。けれど、今は、いいや。それでも。

「あ、ちょっ、んんっ」

 カエルのTシャツの裾からいきなり入れられた指に、体が素直に反応する。それはマズい。私、まだ肝心なことを翔吾くんに伝えていない。

「翔、吾っ」
「いいんだよね? あかりの全部をもらっても」
「だからっ、まだっ」
「今、無性にあかりを抱きたいんだけど、まだ我慢しなきゃダメ?」

「ダメ!」と叫んで、翔吾くんの顎をぐいと押し上げる。「痛い痛い」と言いながら、翔吾くんは笑う。笑っている。

「翔吾くんのことは好きだけど、私、他にも好きな人が」
「俺のこと、好きなんでしょ?」
「好きだけど、他にも好きな人が」
「いいよ」
「はっ?」

 え、今、なんて?
 私は翔吾くんの他にも好きな人がいるのに、翔吾くんはそれでもいいと? いいって? へ?
 翔吾くんは顎を押さえたまま、笑う。満面の笑みだ。喜んでいるのだとわかる。こんな酷い提案を、彼は喜んでいる。

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