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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「あかり、好き……好きだよ」

 深く穿たれるたび、体が歓喜する。もっと奥まで来てほしいと願ってしまう。繋がっている箇所からはだらしなく蜜が溢れ、卑猥な音を立てて羞恥心を煽る。

 翔吾くんは、ただひたすらに愛の言葉を囁いてくれる。今まではセーブしていたのだと笑うけれど、できれば今後もセーブして欲しい。
 ……恥ずかしすぎる。

「あかり、気持ちいい?」
「っ、ん、きもち、い」
「俺も。中がいつもより締まってる。ねぇ、何に感じてるの? もっと奥まで挿入っていい?」
「しょ、ごく、恥ずかし」
「愛してるよ、あかり。今はぜんぶ俺のものだよね? キレイな体も、やらしい中も、この奥も」

 手のひらが心臓の上に置かれる。じんわり暖かい体温が、告げる。心も俺のものだと。
 胸の頂きに吸い付かれて、体が跳ねる。声が漏れる。短い髪をくしゃりと撫でて、上目遣いで私の様子を見てくる翔吾くんに「キスして」と訴える。

「彼女、って、何をすれば?」

 キスの合間に翔吾くんに尋ねる。
 セフレとどう違うのか、いまいちわからない。「彼女」になったことがないから、なのか。

「そばにいて欲しいときに、そばにいて」
「う、ん」
「たまに『好き』って言って」
「んっ、わかっ、た」
「たまに、我が儘に付き合ってくれたら嬉しい」

 我が儘?
 唇が塞がれ、尋ねることができない。翔吾くんの我が儘って、何だろう? 想像がつかない。
 けれど、私も「心は許さない」という我が儘を聞いてもらっていたのだから、今度は私が翔吾くんの我が儘を聞く番なんだろう。

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