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サキュバスちゃんの純情《長編》
第1章 情事と事情

「もうっ、あかり!」
「……ごめん」
「中、ヌルヌルで気持ちいいんだから、締めちゃダメだよ。すぐ出るよ」
「ごめんってばー!」

 繋がったまま、ティッシュを探してそんな話をする。さすがに二回出したので、翔吾くんの肉棒もすぐに柔らかくなる。それでも、中で繋がるのは気持ち良くて、離れがたい。

「ずっと中に挿れていたいよ……抜きたくないなぁ」

 それはだいぶ生活に支障が出るからやめたほうがいいと思います。
 悲しがる翔吾くんを無視して問答無用で繋がりを断ったあと、ティッシュで後処理をしてゴロリと横になる。

「あかり、背中にほくろあったんだね」
「あぁ、左肩の下あたりでしょ」
「うん。いつも髪で隠れているし、バックでしないとわからなかった」

 翔吾くんと抱き合って、お互いの熱を感じ合う。暖かくて気持ちがいい。もう少ししたら暑くてたまらなくなるだろうけど、お金持ちは冷房代なんて気にしないのよね、きっと。

「あかり」
「どしたの、翔吾くん」
「この下着、俺と会うときだけ着てね」
「うん、もちろん」

 翔吾くんからもらった下着で他の男に会うなんて、無粋な真似はしない。しちゃいけない。
 紙袋には、私の服が二着、下着が二着、水着が一着、それぞれ入っていた。水着なんて、久しぶりに見た。昔のものとは大きく異なり、布の面積がやたら小さいのが気になった。
 翔吾くんに「水着なんて着る機会がない」と抗議したら、「一緒に海に行こう」と誘われたのだ。なんてスマートな誘い方なんだろう、と驚いてしまった。
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