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サキュバスちゃんの純情《長編》
第9章 記憶と記録

 怖い、と思った。
 最初に私の街娼時の絵を見て、叡心先生のパトロンになって、何年も何年もかけて、水森貴一は歪んで、狂っていった。それがつぶさに記録してある。

 愛と言うよりは、怨念のような、執念のようなものを感じる。
 これを深い愛情だと言うのは、違う。
 これは、狂った、愛だ。

 そう、水森貴一は、狂っている。
 狂っていた。
 狂わせたのは、私。
 彼の濁った想いを、澱のように蓄積させていったのは、私。

 どうして、もっと早く、気づかなかったのだろう。
 どうして、逃げ出さなかったのだろう。
 町を捨てて、故郷を捨てて、狂った男から逃げ出せば、あんな悲劇は起こらなかったのに。

 どうして。

 ……わかっている。
 叡心先生が深い愛情を注ぐ故郷を、離れられるわけがないこと。離れられるわけがなかったこと。
 あんな思いをしてもなお、彼は故郷の人々を愛し続けた。その中には、水森貴一も含まれたのだ。

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