この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第9章 記憶と記録

 昼、縁側に座るミチさんを見つけ、声をかけようとした。かけられなかった。
 叡心の絵から抜け出てきたかのように美しい女が、物憂げに庭を眺めていた。叡心なら迷わず絵筆を取り、妻を描くだろう。その絵を、見てみたかった。
 愚かなことをした。
 なぜ、私は叡心からミチさんを奪い、ミチさんから叡心を奪ったのか。
 なぜ、絵の中の女に恋い焦がれた、ただの愚かな男のままでいられなかったのか。
 なぜ、奪った。
 なぜ、私は、壊した。
 そうだ。壊したのだ。私が、私の手で。
 私のしたことは、間違いだった。間違いだったのだ。


 しばらく、家を離れていた。東京から帰って離れを覗くと、ミチさんが布団で伏せっていた。聞けば、食事もほとんど摂っていない、薬も飲んでいないという。
 脈を取ろうとして、腕の細さに驚く。十日でこれほど衰弱してしまうのか。
 そばにいられなかったことを詫びると、力なく私を見つめて、ミチさんは言った。
 このまま死なせて、と。
 馬鹿な。
 私を置いていくなんて許さない。
 叡心のもとへ旅立つなんて許さない。
 死にかけているミチさんを抱く。涙を流して拒絶する女の膣内を蹂躙し、久方ぶりに精を吐き出す。
 叡心の代わりに生きろ、と何度も囁きながら、何度も抱く。
 ミチさんは気をやったが、顔色は良くなった。脈も正常だ。
 明日から、また、毎日抱かなければ。

/581ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ