この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第10章 黒白な告白

「そのあと、彼のご実家にも挨拶に行ったんだけど……彼、その場で私の実家の養子になるって宣言しちゃったのよ」
「え?」
「しかも、彼のご両親からは賛成されたのよ」
「……ダメなんですか?」
「バツイチ子持ちの歳上女なのに、養子になりたいだなんておかしくない?」

 どこがおかしいのか、よくわからない。
 財産目当てを気にしているのだろうか? 佐々木先輩の実家って、何をしているんだろう? 自営業? 他に兄弟は? 養子になる、だなんて、それなりの状況と覚悟がないと言えないセリフだ。

 先輩、情報が少なすぎます!
 私のクエスチョンを察して、先輩は苦笑する。

「うちの実家は静岡で大手企業の孫請け会社をしているの。小さい会社で、一人娘の私が継がないなら、会社を畳んで他の会社に従業員を頼むか、誰かに譲るしかないんだけど。彼、自分の会社を辞めて、うちの会社を継ぐ気なのよ」

 それは、佐々木先輩と結婚したいのか、それとも会社が欲しいのか、という疑問でしょうか?
 それなら、先輩が戸惑うのも理解できる。
 先輩は、会社を辞めてまで実家を継いでほしいなんて思っていないはずだ。元ご主人がそうではなかったように、今の彼氏にもそれは望んでいない。
 だから、彼の真意が何なのか、理解できない。

「……それって、かなり、先輩のことを愛している証拠じゃないですか?」
「あっ、い!?」

 先輩、お箸からご飯が落ちましたよ。
 真っ赤になっている先輩を放っておいて、ティッシュで床に落ちたご飯をつかむ。

「先輩のご両親と連絡を取っていたなら、ご実家の情報は把握しているんじゃないですか? その上で、会社を継ぐにはどうすればいいのか考えたのでは? 先輩を実家にいさせたほうが、暴力男から守ることができるって考えたのかもしれませんよ。目の届く範囲にいて欲しいんじゃないですか?」

 外堀から埋めるような人だ。たぶん、きちんと準備はしてあるのだと思う。佐々木先輩を逃さないように。
 それは、先輩のことが心配だから。愛しているから。そうだと思う。思いたい。

「……本当に、そう思う?」
「思いたいです」
「孫請けの製造業なんて本当に儲からないのに、何を考えたのかしら」
「先輩とお子様のことじゃないですか? 第一に考えたのは。いいじゃないですか、船に乗っかっちゃえば」

/581ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ