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サキュバスちゃんの純情《長編》
第10章 黒白な告白

「返事はいつでもいいよ。待ってるから」
「あ、あの、でも、わた」
「待ってるから」

 言葉を遮られて、にっこり微笑まれると、どうしようもない。どうしようもなくて、困ってしまう。
 仕方がないので、砂利を食べているかのような心境で、タルトを口に運ぶ。あぁ、やっぱり、イチゴの味がしない。口の中がザラザラしている。

「翔吾と健吾に感謝しなきゃ。月野さんが翔吾の彼女だと知って、本当にショックで……俺、月野さんのことが好きなんだなって、自分の気持ちがようやくわかったんだ」

 シフォンケーキにたっぷりホイップクリームを乗せて、荒木さんは笑う。

「月野あかりさんのことが好きだよ」

 叡心先生に似た顔で、それは反則です。荒木さん、それは反則です。
 気持ちが、グラグラします。ダメです。
 ちょっとくらいならつまみ食いしても良いかな、なんて思ってしまうから、ダメです。

「返事は明日以降で待ってる」

 さっきは「いつでも」と言ったのに、いつの間にか「明日以降で」に変わっている。口が上手な営業マンめ!
 今すぐ断ろうと思ったのに、できなくなってしまった。これは、先延ばしにしていい問題じゃないのに。絶対に早く断らなきゃいけないのに。

「……考えさせてください」

 ようやく絞り出せた答えに、荒木さんは満足そうに笑って。

「良い返事を期待しているね」

 シフォンケーキの最後の一口を頬張った。

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