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サキュバスちゃんの純情《長編》
第10章 黒白な告白

「あかりの場合、好きとか嫌いとかの前に、一番大事なのはそれなんだよ。体の相性。セックスが合うか合わないかが一番なの」

 オーガズムが得られるかどうかという相性ではない。回数と量の問題だ。私が求めたときに、応じてくれるかどうかが問題なのだ。

「そうでしょ?」
「……はい」
「じゃあ、やっぱり、それを伝えるべきだよ。もしくは、一回ヤッちゃうかしないと、好きっていう感情だけで判断はできないよね」
「おっしゃる通りです」

 本当に。
「好き」という感情よりも必要なもの、私より相馬さんのほうがよく知っている。

「だから、セフレから恋人になるっていうのは、あかりにとっては一番いい付き合い方だと思うんだよ。一番、理に適ってる」
「……そう、なのかな」
「そう。多少世間からズレていても、あかりの中ではそれがベストなんだよ」

 なるほど。そういう考え方もアリなんだ。
 体の相性を前提とした付き合い方、のほうが確かにしっくりくる。好きな人と付き合っていく中で、順番にステップアップしていくには、私の体は不便すぎる。「付き合いましょう」より「突き合いましょう!」のほうが都合がいい。
 目から鱗が落ちてきた。
 すごく、納得できた。

「俺のイチモツを受け入れられるのが経産婦だっていうのと同じくらい、ベストだね」

 ……あぁ、だから、熟女デリヘルとか人妻デリヘルが好きだったんだね、相馬さん。確かに、若い子よりは子どもを産んだことがある人のほうが、あの凶悪な巨根にはいいのかもしれない。
 佐々木先輩と本番行為はしてしまったのだろうか……まぁ、付き合うくらいだから、突き合っていても不思議ではない。アレを知らないで結婚してしまったら、佐々木先輩が不憫すぎる。

「……じゃあ、その方向で、考えてみる」
「ん、そうだね。あ、でも、あかり、気をつけて欲しいんだけど」
「え?」
「セックスが嫌いな男って、オナニーが好きな奴が多い気がするんだよね」

 なるほど。自分の右手に勝るものはない、ということか。

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