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サキュバスちゃんの純情《長編》
第2章 週末の終末
悲鳴が上がる。泣き叫ぶ声が聞こえてくる。
川の中に飛沫が上がり、白くて細い腕が見えた瞬間に、私は駆け出していた。水着を着ていて良かったと、砂利に足を取られながらワンピースを脱ぎ、ひたすら走っていた。
水の冷たさと流れの速さに驚きながら、ただ一点のみを見据えて、泳ぐ。
ザバザバと揺れる水面に、少年の顔と腕を確認しながら、少しずつ距離を縮めていって。
冷たくなった腕をぐいと引っ張って、まだ暴れる少年を見て、安堵した。
良かった。今度は、助けられた――。