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サキュバスちゃんの純情《長編》
第10章 黒白な告白

 極太くんは、Gスポットとクリトリスを攻めるタイプの太めのバイブだ。奥までは届かない設計のくせに、イイところを攻めてくれるから、それだけで満足してしまう。
 Gスポット用の先端は細く尖っていて、クリトリス側はシリコンの襞が密集している形状だ。

 この黒いバイブは、最初全く売れなかった。モノはすごく良く、すぐイッてしまうくらいのバイブなのに、男性が女性を喜ばせるための黒いバイブ、というのが受けなかったらしい。
 途中でコンセプトを女性のオナニー用に変更し、パッケージもかわいらしく、色もパステルカラーにしたら、売上が伸びたという経緯がある。

 つまり、この黒い極太くんは、初期コンセプトの売れ残り、負の在庫なのだ。
 売れ残りなのに、機能も性能もいいグッズ。残念ながら、単一電池を使うため若干音が大きいのが難点だ。その分、パワーがあるということなんだけど。

「やだぁっ、やめっ、イッちゃ、っ、あっ」
「……スゴイね、コレ。そんな気持ちいいの? もう三回目だよ? まだイク?」

 蜜に濡れたシリコンの襞が、振動するたびに肉芽を擦り上げる。ビリビリとした刺激が与えられるたび、腰が切なく動く。
 同時に、中でいいところをグリグリと突くのがバイブの先端で、何度身を捩って逃げても、ケントくんは上手にポイントを探り当ててくる。

「あかりちゃん、気持ちいい?」
「やだ、イッちゃ、う! やっ、あ!」
「気持ちいいんだね、良かった」

 良くない!
 と言いたいのに、難しい。体はもうぐったりとしていて、反論をする元気はない。
 ただ、下腹部に訪れる強すぎる快楽だけを享受するだけになってしまっている。

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