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サキュバスちゃんの純情《長編》
第10章 黒白な告白
朝、ベッドから体を起こすと、腰にケントくんの腕が巻きついていた。問答無用で払い除けても、彼は目を覚まさない。
寝顔はかわいい。いや、格好いいのか。全体的に色素が薄いのは、不思議な感じ。日本人の色白とはまた違う透明感だ。
……これは、モテるだろうな。
ケントくんの学校での様子は聞いたことがないけれど、格好良くて、モテて、でも手が早い男なんて……日本では生活しづらいのではないだろうか。
つい、そんなことを考えてしまう。
全裸のまま浴室へ行き、熱いシャワーを浴びる。昨夜使ったバイブも洗っておく。
……困ったことになった。
荒木さんに、翔吾くんが彼氏であること、健吾くんとも関係があること、二人と同時に関係したことがバレている。
さらに、それを知ってもなお、荒木さんは引くことなく迫ってきている。
間違いなく、荒木さんは「許容できる」人間だ。性的に奔放な女でもいいのだ。むしろ、そういう女のほうが好みなのかもしれない。
……しまったなぁ。
完全に選択肢を誤った。荒木さんに対して見せないといけなかったのは、「性的に奔放な女」ではなく「一途で純情な女」だったわけだ。
荒木さんは、SMが趣味なだけで、藍川のように命の危険を感じるほどのプレイ――過度な暴力行為はきっとしないだろう。でも、いつ豹変するかわからない。それが怖い。
そして、その判断は、セックスの中でしかできない。普段の生活からは判断しづらいのが難点なのだ。
私は、迫られるのも無理やりされるのも嫌いではないけれど、マゾヒストではない。調教されたくもない。騎乗位で攻めるのも結構好きだ。
……たぶん、合わないと思うんだけどなぁ。性質的に。