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サキュバスちゃんの純情《長編》
第10章 黒白な告白
「気持ち、い……」
「望、ありがと。いっぱい出たね」
「……まだ出るよ?」
抱き合い、キスをしながら、笑う。
ザアザアと雨の音。お互いの音しか聞こえなかった二人の間に、一気に生活の音が戻ってくる。不思議な静寂だ。
「病み上がりなんだから、無理しないで」
「あかりが奥さんになってくれるって言った記念すべき日なんだから、無理くらいさせてよ」
「ダーメ。そんなにがっつかなくても、私はそばにいるから」
「本当に?」
「とりあえず、今夜はそばにいるよ。帰らないから、安心し――んんっ」
セックスが終わるたびに「さようなら、また連絡する」とホテルから帰っていた関係性が変わる。セックスだけの関係ではなくなる。そういうことだ。
お互いに心地の良い距離感を保てるのであれば、「そばにいてほしい」という願いを叶えたい。叶えてあげたい。
「あかり、愛してる」
「うん、わかってる。私も」
「明日の朝イチで帰ったりしない?」
「夜までいてあげようか?」
「……どうしよう、幸せすぎて……また出そう」
「え、いや、確かに硬いけど」
幸せすぎて射精しそう、だなんて聞いたことがない。さすが早漏湯川先生。よくわからない境地だ。たぶん、誰にも真似できないと思う。
「あかり、ごめん。このまま後ろから犯させて」
「二回戦?」
「三回くらいイケそう」
挿入したまま三回戦まで、かぁ。何とかなるかな。