この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第11章 幸福な降伏

 BGMはゆっくりとした琴の音。耳に心地好い。
 翔吾くんの指を親指で一本一本ゆっくりと撫でながら、節が大きいなぁと思う。湯川先生の指とはまた違う。男の人の指。

「合宿と試合はどうだった?」
「まぁ、良かったよ。勝てたし」
「良かったね、おめでとう」
「ありがと。最後の試合だからね。頑張るよ。ほんとは観に来て欲しいけど」

 土日なら何とかなるかなぁ。でも、野球と違ってサッカーはルールをよく知らないから、とりあえず翔吾くんだけ見ていればいいのかな。ボールを見ていればいいのかな。
 解説……健吾くんに頼もうかな。あ、でも、健吾くんはサッカーに詳しいのかな。

「土日なら行けるかなぁ」
「そう? じゃあ、来月の十七日は?」
「来月……九月十七日、は、難しいかも」
「三連休だから、セフレの誰かとどこかに行くの?」
「ううん、そうじゃないんだけど」

 ぎゅうと手を強めに握られて、真面目そうな顔をされて、じっと目を見つめられるとドキドキする。久しぶりに会っているからなのか、恋人になったからなのか、わからないけれど。

「あかり、俺……」
「お待たせ、あかり。引き継ぎがちょっと長引いちゃって」

 個室にやってきた湯川先生の顔を見て、私と翔吾くんの緊張が高まる。思わず、手を引っ込める。

「あ、いいのに、それくらい。慣れなきゃいけないんでしょ、そういうのも」

 私の右隣に腰を下ろし、湯川先生が笑う。笑うのに、私の右手、翔吾くんに見えない位置で重ねられていますけど!? あ、今、ぎゅって握られましたけど!?
 平気そうな顔をして、妬いている先生がかわいい。ちょっときゅんとする。


/581ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ