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サキュバスちゃんの純情《長編》
第1章 情事と事情

「会って欲しくない?」
「もちろん。北海道まで連れて行きたい」
「……せんせ」
「あー、いいな。いいアイデアだな。飛行機チケット取ってあげるから、一緒に行こうよ」
「せーんーせっ!」
頭では無理だとわかっている。理性では。でも、体がどうしてもお互いを求めてしまう。
相性が良すぎるのも考えものだ。離れられなくなってしまう。
「あかり」
「ん? 四回目?」
先生は笑いながら舌を挿れてくる。私は先生の首の後ろに手を回し、ぎゅうと彼を抱きしめる。
まだ汗ばんでいる肌が触れ合い、ぺったりとくっついて。タオルの向こうの屹立した肉棒が、私の太腿にその硬さと熱を伝えてくる。
よし、四回目、いただきます!
「あかりがセックス依存症を治したいならいい医者を紹介するよ?」
「治したいわけじゃな、あっ」
病気でセックスをしているわけではないのだけれど、そのほうが「生きる」のに都合がいいから、相手にそう伝えているだけだ。
先生の指が、私の中を引っ掻き回す。私の肉芽を押し潰す。患者さんを救うその繊細な指が、私に快楽をもたらしてくれる。
「治して、早く俺と」
「んっ、や、せんせ、んんっ」
先生は続きを言わない。私も聞かない。言葉にしてしまったらダメだとわかっている。先生も私も。
相手の人生を背負うほどの覚悟はない。ただ、お互いの体を貪り合うだけの関係が一番都合がよくて、一番気持ちいい。
よく、わかっている。

