この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第11章 幸福な降伏

「湯川からあなたを取り上げたら、どうなると思いますか? 水森貴一と同じことになりますよ」
「……先生は、強いですよ」
「男はみんな弱い生き物ですよ。どんな女性より、あなたが一番よく知っているでしょう?」

 そう、ですね……そう、でした。
 男の人は弱い。私はよく知っている。
 叡心先生も、水森貴一も、宮野さんも、弱かった。男の人の心の弱さを、私は、よく、知っている。

「湯川の前からいきなり消えないであげてください。せめて、正体を明かしたあとで、納得してもらってからにしてください」

 そうです、ね。そのほうがいいかもしれません。湯川先生と翔吾くんのことをきちんと考えたら――今までのやり方と同じことは絶対にできない。
 きちんと「さようなら」を言わなければならないのだ。

「僕は、湯川の絶望した姿を見たくありませんので」
「……はい」
「お願いしますね」

 わかりました、と頷いて、私は小さなグラスの中身をグイと飲む。ヒヤリ冷たい、さっぱりとした喉越しの。

「……それ、僕の冷酒……」

 あぁ、冷酒って結構度が高いんだな、と、ぐるぐる回る頭の中で考えて。
 じゃあ、二人にはいつ話そうかな、と、考えたけれど。

 結局、考えるのはやめてしまった。

/581ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ