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サキュバスちゃんの純情《長編》
第12章 性欲か生欲か
二人の切なそうな顔を交互に見て、頷く。
ごめんね。いっぱい、待たせたね。
「……望と翔吾、二人が好き」
愛なんていらないと思っていた。
生きる理由なんていらないと、思っていた。
苦しいだけの愛なんていらない、つらいだけの生なんていらない、と。
「二人を愛してる」
でも、たぶん、本当は、一番欲しかったんだ。
愛する人に、愛されたかった。
愛する人と、一緒に生きたかった。
「だから」
飢えを、満たして。
食欲と性欲と――生欲、を。
「――二人に、抱いて欲しい」
幸せで、満たして欲しいの。