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サキュバスちゃんの純情《長編》
第14章 小咄(一)

岡山駅→福山駅
「望さんて、AVとか見ないの?」
「見ても勃たないから、見ない」
「じゃあ、あかりの写真とか?」
「そう。隠し撮りした写真とか、あかりにそっくりな絵とか」
「絵?」
「尾道の画家、村上叡心の絵の中の女が、あかりそっくりなんだ」
「へぇ……あ、ほんとだ、似てる。綺麗な絵だね。撮って待ち受けにしてるなんて相当だけど。でも、尾道って、偶然?」
「さあ、それはわからない」
「ふぅん。あ、じゃあ、今度いいものあげるよ」
「いいもの?」
「あかりのハメ撮り動画」
「は!?」
「欲しい?」
「いやいやいや、あかりに限ってそんなこと許可しないだろ。だって、写真すら嫌がる子だぞ? 翔吾、お前、許可なく撮っただろ!? 隠し撮りだろ!?」
「あ、欲しくない?」
「……欲し、いデス」
その動画が望の新しいオカズになるのは、遠くない未来の話。
◆◇◆◇◆
福山駅→尾道駅
「……田舎だね」
「……田舎だな。でも、嫌いじゃない」
「俺も」
「なんか、田舎の電車っていいな。都会と違って」
「景色が変わるからかな。東京の電車から見る景色はビルばっかりだからなぁ」
「あ、海だ」
「ほんとだ」
「……いいなぁ」
「……いいねぇ」
いつの間にか二人旅を楽しむ望と翔吾。

