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サキュバスちゃんの純情《長編》
第15章 小咄(二)
【文化祭】
「わ、あかりちゃん来てくれたの? 嬉しい!」
「……来てくれないと一日中縛るって脅されたからね」
「ありがとー! ね、似合う? 似合う?」
「ん、似合ってる、似合ってる」
「やっぱりメイド服は膝丈が一番だよね!」
「……で、オススメは?」
「あんみつオススメだよ! 暖かいのがいいなら抹茶オレのセットがいいよ!」
「じゃあ、それで」
「ありがとー!」
化粧とウィッグで女装したケント(とクラスメイト)がメイド服姿で給仕する。そんな喫茶店は、長蛇の列で入室が困難。あかりはケントからもらったチケットで並ばず入室。
「はい、あんみつ。あかりちゃん」
「ありがとう……なんでケントくんがサクランボの軸を咥えているのかな?」
「ん? サービス。ほら、サクランボ咥えて、実を食べて」
「……」
「目、開けててね」
「……」
「……食べてくれないと空き教室で犯すよ?」
渋々赤い実を食べようと口を開け、周りからの黄色い声を聞いて、あかりは長蛇の列の理由を知る。普通にキスするよりエロい「サービス」目当てなのだと。
「上手にできたから次はたくさん犯してあげる」と耳元で微笑まれ、こんなに色気のある男子中学生はどうなのとあかりは苦笑するしかない。
ちなみに、あとで担任にバレてケントはめちゃくちゃ叱られる。