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サキュバスちゃんの純情《長編》
第15章 小咄(二)
【水族館】
「……」
「……」
「あかり、楽しい? もう三十分も見てるけど」
「楽しい。めちゃくちゃ楽しい」
「そう? なら、良かった」
「……」
「……」
巨大水槽をボーッと見上げるあかりと、その横顔を見つめ続ける望。
お互い、目に映るものは違っても、それぞれ満足している様子。
「はい、チンアナゴのぬいぐるみ」
「湯川先生!? なんでっ!?」
「かじりついて見ていたじゃん。好きなんでしょ?」
「好き! 大好き! わぁ、かわいい! めちゃくちゃ嬉しい!! ありがとう、望!」
今まであげたプレゼントの中で一番喜んでくれたなぁと望は苦笑し、あかりは子どものように喜ぶ。
そんな、水族館デート。
……チンアナゴが(文字も形も)チン○に見えて「似てるなぁ、かわいいなぁ」と見つめていたとは口が裂けても言えないあかりだった。