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罪の秤
第5章 母の死
ピッ…ピッ…ピッ…ピーーッ…

繰り返し聞こえてた音が、止まった。それは、母の死を意味した。

医師がきて心臓マッサージをしたが、不思議な感じがした。

「3時56分42秒お亡くなりになりました。」
「母さん?寝てるの?起きてよ?もぉ、おうち帰ろうね。」

そう言うのが精一杯で、私は、看護士に付き添われ、ICUを出た。

「ど、どうだった?」
「店長。駄目でした。」

暫く長椅子に座ってると看護師が出てきて、これからの事を聞いて、私は、先に実家に帰った。

バタンッ…バタンッ…

「ここに住んでたんだ。」
「はい。」

小さな借家。

「あっ…おばさん。色々ありがとうございました。」
「香織ちゃん。元気出すんだよ。」

母が倒れた事を知らせた人、母と仲が良かったらしい。

礼を言って、中に入ると、埃臭かった。
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