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剛 to 舞依
第2章 舞依の「剛 ing 舞依」イブ
「…舞依?」
ハッと我に返ると静香が覗き込んでいた

あ~ヤバイヤバイ
昨日『Peach boy』最新刊を見ながら
一人でシテたのを思い出して浸ってた…
「…舞依?」
「な、何?どうかした?」
「…はーん…想像してた?」
「な、何を、何の事?」
「…潤様とシテた?」
「ば、ばかっ、な、何で…」
「…顔、真っ赤よ~」
「えーん静香のイジワル~」
恥ずかしくて顔を伏せて静香をつねる
「あははっ、舞依カーワイイ!」

その時
コンコンと扉が鳴った
「内海、居るか?」
ドスの効いた低い声と共に扉が開いた
うわっ!同じクラスの伊澤くんだ!恐い!
天井に着きそうな高いところから
ギロッと睨まれるので
思わず顔を伏せたまま
「せ、先生なら、と、図書室です」
何とか声を振り絞って答え
図書室への戸を指差すと
伊澤くんは無言で
ドスドスと床を震わせて脇を通って行った
カラカラ…カラカラ、ドン
図書室への戸が開き閉まり
伊澤くんは図書室へ消えていった

「…」
「…」
「…行った?」
「…うん」
「…あー恐かった~」
「しーっ聞こえたら食べられちゃうよ」
「くわばらくわばら」
「…アノ人C組でしょ?」
「うん」
「舞依のクラスでしょ?」
「うん」
「恐いね~」
「でしょ?」
「内海先生大丈夫かなぁ…」
「自衛隊呼ぼうか」
さっきまでイケメンの壁ドンが咲き乱れていた
準備室はシーンと閑まりかえって
いたたまれなくなったけれど
先生を置いて逃げ出すのも気が引けて
静香と二人
嵐が去るのを祈るしかなかった
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