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剛 to 舞依
第1章 剛の「剛 ing 舞依」 イブ
このアーケードの突き当たりは
電車の高架下になっていて金網が張ってあるが
中にはバスケットコートがあり
日曜日はもっぱら片面ずつ使って
ストリートバスケをしに集まってくるのだ
「よーぉ伊澤久しぶり~」
「よっ相田、相変わらずだな」
たいていここを仕切っているのは
中学時代の同級生の相田とその連れだ
「空いてるか?」
「片面空いてる、俺らとやるか?」
「よし、やるぞ!」
空いてるゴール下に4人出ると
どこからか相田のメンバーが2人現れて
いつともなしに試合が始まった

こっち1人は人数合わせの実質2対3で
勝ち負けよりも久しぶりにバスケを楽しもうと思っていたがいやはや何とも…
怯えていたトモはコートに入るなり元気になって
背丈は無いものの素早く
ドリブルも上手けりゃ
スリーポイントシュートも決めて
水を得た魚のように生き生きとしはじめ
「ヒロ!パス!」
「ドンマイ、ゴウ!」
とすっかりチームリーダーになって
得点を重ねていった

聞けばずっとバスケをしていたらしく
この間、選抜にもれて少し自棄になってたとか

かく言う俺も1年の時先輩とモメて
バスケ部を辞めたんだよなぁ

「…じゃあなトモ、またやろうぜ」
「ああ、それまでにゴウさんはフェイントの時に動く方を見る癖を直しといて」
「あちゃー痛いとこ突かれたな剛」
「そうか?俺見てる?」
見回すと全員が首を縦に振っていた
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