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おにいちゃん、おしえて。
第4章 おにいちゃんの、ひみつ。
「おにいちゃんの部屋で一緒に寝る……」

清花の甘い囁きに、英司はどきりとした。

「いや、それは――」

昔、和室の日本人形を一番怖がっていたのは英司だ。
それだけに、清花の怯えようもわかる気がして、ぎゅうと抱きつく可愛い少女を、無下に断ることができない。

「じゃあ……俺、ソファか和室で寝るわ。清花は俺の部屋で……」

英司の言葉に、清花は唇を噛み締めてふるふると肩を震わせ、涙がぽろぽろと落ちた。

「同じ部屋にいて。お願い……おにいちゃん……」

静かに泣く清花を放っておけるわけもない。
英司は仕方なく、自分の部屋へと連れて上がることにした。


英司の手で、ガチャリとドアを開けた。

窓際にセミダブルのベッド。
前、英司の部屋に入った時は二段ベッドの下部分があったのに、ベッドがかっこよくなってる……と清花は思った。

「ちょっと、そこ敷くわ」

ぽーっと立っている清花に、英司は場所を譲るよう促す。
和室から布団を担ぎ込んでくれたのだ。その布団で清花が寝ることになる。
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