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おにいちゃん、おしえて。
第9章 初恋は実らない?
その後も、わざと清花に会わないようにしているのかと思うぐらいに、英司の姿を見ることはなくなった。

「えいちゃんこの前帰ってきたらしいわよ。きっとかっこよくなってるんでしょうねぇ」

両家の母同士の交流は相変わらず盛んだったが、清花には、母がたまにそんな話をするぐらいだった。
芽衣もバイトを始めたので、「みんなで旅行にはもう行けないかな」と母が言っていた。


そして、清花がもうすぐ高校生になる、中3の冬。
卒業式間近の放課後、隼に呼び出された。

「ずっと、わかってたかもしんないけど。好きだから、つきあって」

――隼のことは、嫌いじゃない。

中1の時は清花にいじわるばっかり言っていたが、好きな子をいじめてしまう典型で、2年経つとそんなこともなくなっていて。
英司がいなくなってから、人知れず落ち込んでいる清花を、明るく励ましてくれたりもした。
いいやつだということは、誰よりも知っている。

「お前が、好きなやつを忘れてないのはわかってるけど、俺のほうが、大事にするよ」

拳を握りしめて、まっすぐに想いをぶつけられると、清花の心も揺れた。
もう、英司は……清花との出来事なんて、忘れてしまったのかもしれない。

「よろしくお願いします」

そうして、清花は隼の告白をOKしたのだった。
ちょうど、英司に処女を捧げてから、2年経っていた。
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