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おにいちゃん、おしえて。
第2章 二日間、よろしく。
重いノブを下げてドアを引いたら、中ではスウェット姿の英司が出迎えてくれた。
「早いじゃん。おかえり」
冷たさの残る目元がほんの少し緩み、すっきりとした薄めの唇の端が上がる。
昔から中性的なルックスだった英司だが、清花の目から見ると逞しくなったように感じる。
そんな英司の「おかえり」の一言に、清花はちょっと嬉しくなった。
「……ただいまっ」
お互いに、ふ、と微笑み合い、居間まで進む。
「まだメシの時間には早いよなぁ……テレビ見る?」
「マンガ読みたい。おにいちゃんの部屋行きたい」
ぴょんぴょんと跳ねる清花のスカートがひらひら揺れる。
英司は、自分が在学していた頃より随分短くなったもんだな、と考えていた。
とは言え、清花のセーラー服姿は何度か見たことはあったし、何より自分の母校の制服。何も目新しいものではない。
しかし、ランドセルを背負わなくなった清花は、やはりどこか、少女から成長を遂げようとしている蛹のように感じられて。
まるでそんな気のなかった英司も、落ち着かないような気分になった。
「早いじゃん。おかえり」
冷たさの残る目元がほんの少し緩み、すっきりとした薄めの唇の端が上がる。
昔から中性的なルックスだった英司だが、清花の目から見ると逞しくなったように感じる。
そんな英司の「おかえり」の一言に、清花はちょっと嬉しくなった。
「……ただいまっ」
お互いに、ふ、と微笑み合い、居間まで進む。
「まだメシの時間には早いよなぁ……テレビ見る?」
「マンガ読みたい。おにいちゃんの部屋行きたい」
ぴょんぴょんと跳ねる清花のスカートがひらひら揺れる。
英司は、自分が在学していた頃より随分短くなったもんだな、と考えていた。
とは言え、清花のセーラー服姿は何度か見たことはあったし、何より自分の母校の制服。何も目新しいものではない。
しかし、ランドセルを背負わなくなった清花は、やはりどこか、少女から成長を遂げようとしている蛹のように感じられて。
まるでそんな気のなかった英司も、落ち着かないような気分になった。