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おにいちゃん、おしえて。
第10章 おにいちゃんと、いっしょ。
電話を切り、英司は居心地が悪そうな顔をして、隣で涙ぐんでいる清花を見る。
「……突っ走りすぎたかな。でも、俺はもう、清花以外考えらんないんだけど」
「私だって……おにいちゃんじゃないとだめだもん」
泣いて震えている清花を、英司は「ごめんな」と優しく抱き締めた。
最初から、こうすればよかったのに。
清花の代わりなんてどこにもいなかった、と英司は思う。
「おにいちゃん、煙草の匂いする……」
胸の中の清花にそう言われたが、清花こそさっきからいい香りがする。
どこか懐かしさを覚える、その香り。
「お前も何かつけてる? いい匂いする。みかんみたいな……」
英司に言われて、清花は名の通り、清純な花のように笑う。
「柑橘系のトワレだよ。これ、好きなんだ」
ふふっと笑い合って、どちらからともなく唇が触れ合った。
「……突っ走りすぎたかな。でも、俺はもう、清花以外考えらんないんだけど」
「私だって……おにいちゃんじゃないとだめだもん」
泣いて震えている清花を、英司は「ごめんな」と優しく抱き締めた。
最初から、こうすればよかったのに。
清花の代わりなんてどこにもいなかった、と英司は思う。
「おにいちゃん、煙草の匂いする……」
胸の中の清花にそう言われたが、清花こそさっきからいい香りがする。
どこか懐かしさを覚える、その香り。
「お前も何かつけてる? いい匂いする。みかんみたいな……」
英司に言われて、清花は名の通り、清純な花のように笑う。
「柑橘系のトワレだよ。これ、好きなんだ」
ふふっと笑い合って、どちらからともなく唇が触れ合った。