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ただ、口づけに愛を込めて
第2章 (第一部) 出会い
「桜弥、ここが今日から住むマンションだよ」
暗い、雨の日。
その日は運悪く朝から雨が降っていて。
東京の周辺を円を描くように存在するベッドタウンの一つに存在するマンション群、通称グリーンシティの一つのマンションの前でお父さんは私に言った。
「小学校もすごい近いよ。あそこの生徒の半分くらいがこのグリーンシティに住んでるんだって。沢山友達と遊べるね、桜弥」
お母さんはこのグリーンシティをとても気に入っているようだ。ずっと楽しみにしていた。
「うん、楽しみ!」
前に住んでいたところよりずっときれいなマンション。沢山木が植えてあって、深い緑色なんだろうな。今はあまりよく見えないけど。さすがグリーンシティ。
小学校3年生でも、グリーンの意味くらい知ってるよ。クレヨンで使うし。引越しの前におばあちゃんに会ったとき、グリーンってどういう意味か知ってる?って聞かれてふくれた。それくらいの英語、知ってるんだから。
雨で遠くが見えにくい。傘にあたる音がどこか不吉で、ずっと続くような気がする。
「ねえねえ、明日はれたら、公園で遊んでもいい?」
嫌な予感に蓋をするように、大きな声を出した。
暗い、雨の日。
その日は運悪く朝から雨が降っていて。
東京の周辺を円を描くように存在するベッドタウンの一つに存在するマンション群、通称グリーンシティの一つのマンションの前でお父さんは私に言った。
「小学校もすごい近いよ。あそこの生徒の半分くらいがこのグリーンシティに住んでるんだって。沢山友達と遊べるね、桜弥」
お母さんはこのグリーンシティをとても気に入っているようだ。ずっと楽しみにしていた。
「うん、楽しみ!」
前に住んでいたところよりずっときれいなマンション。沢山木が植えてあって、深い緑色なんだろうな。今はあまりよく見えないけど。さすがグリーンシティ。
小学校3年生でも、グリーンの意味くらい知ってるよ。クレヨンで使うし。引越しの前におばあちゃんに会ったとき、グリーンってどういう意味か知ってる?って聞かれてふくれた。それくらいの英語、知ってるんだから。
雨で遠くが見えにくい。傘にあたる音がどこか不吉で、ずっと続くような気がする。
「ねえねえ、明日はれたら、公園で遊んでもいい?」
嫌な予感に蓋をするように、大きな声を出した。