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ただ、口づけに愛を込めて
第2章 (第一部) 出会い
小6の夏。社会科見学で鎌倉に行くことになった。活動班は男女それぞれくじ引きで決められるが、これが素晴らしい運の良さ。
女子、私と親友の晶子(しょうこ)ちゃん。
男子、西野、前川、福井。前川も福井もとても仲良いメンバーで、誰かが裏で操作したんじゃないかってぐらいの幸運だった。
それぞれの活動班は見学中、3時間だけ自由行動が認められる。
限られた時間の中で鎌倉を観光するスケジュールを授業中に立て、先生の許可が出たらそのスケジュールに沿って当日観光するのだ。
授業中、クラスは騒音に包まれ、先生もあっちこっちに引っ張りだこ、雑談するのに適した環境になる。

「将来何になりたい?」
福井が口火を切った。
「いきなりだなー。将来…んー、医者かな」
前川がちょっと悩んで答えた。
「へー、意外。どうして?」
「だってさー、医者だったら好きに患者触れそうじゃん?それでちょっと、色々触って…」
真面目な話かと思ったら、方向180度変わったな…
女子が入りづらい会話を始めて、聞き耳を立てながら隣の晶子に話をふる。
「ね、晶ちゃん、大徳寺ってやっぱ行っとくべきだよね?」
「そうだね。あと源頼朝の像がある源氏山公園も行きたいな」
晶ちゃんも気まずかったらしい。すぐ乗ってくれた。
「病院を女性限定にしてさー」
「あと、18歳以上25歳以下限定とか!」
「あっ、それいい!」
そこ、イェーイってハイタッチしない!
廉が微妙な顔してる。
「お前興味ないの?西廉」
西野廉、愛称は西廉(サイレン)。福井が尋ねてもニヤついた表情はしない。
「西廉はフツーに医者になれるじゃん。両親医者だし」
西野の両親は医者だ。みんな知ってる。もちろん私も。
「いや…別に」
この会話に乗り気のない答えに、前川はふーん、と面白くなさそうに呟いた。

当日。はしゃぎまくる周囲をとは逆に、私は内心穏やかではなかった。朝の集合のとき、聞こえてしまったのだ。
「美和が、西廉のこと好きなんだってー」
「あー、美和って前も好きって言ってたよね」
「くっつくかな、あの2人」
時間が止まったみたいだった。すっと、背筋に冷たい風が通ったような気がする。
美和ちゃん。身長が高く、スラッとした手足に長い薄いこげ茶色の髪。スタイルがいい子だが、あまり仲良くはない。
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